古い民家や数寄屋などの古建築を見るのが好きで、わざわざ出掛けたりもします。

 新潟の高田公園というところに、小林古径という日本画家の旧邸が移設されていて、それを見たことがあります。

 吉田五十八氏が設計したものだそうですが、そこで、たしか壁の収納か何かにスギの柾材を使った引戸が使われているのを見たことがありました。浮造り(うづくり)仕上げとなっていて、すっきりとしていて、とても軽いのが印象に残っていました。

 それを戸棚に取り入れてみたのがこの小さな戸棚です。戸棚といっても、小さな飾り棚とか、置床といった風情でしょうか。

 引戸はスギの柾目の白太材を矧合せてあり、反り留めは内部に埋め込んであります。

 引き手はシマコクタン材で、”塵落とし”と呼ばれる形を自作してみました。下側にくぼみが無く、ホコリなどが溜まらないようになっています。


D220×W600×H220
本体:クリ材 引戸:スギ柾白太材 引手:シマコクタン材 製作