とある古い建物が集められたところに移築されていた、白川郷の合掌造り民家。その天井裏に養蚕のための古い蚕棚が置いてありました。
必要最低限の部材だけで構成されていたその棚は、とても機能的で構成が美しく思え、棚物の意匠として取り入れられないかとずっと考えていたのです。
その蚕棚に着想を得たこの棚は、飾り棚、あるいは食器棚として製作しました。見た目のバランスを考え、ほんのわずかでわからないくらいに四隅の縦方向の部材を上に向かって細くしてあります。
本体はチェリー材、棚板はカタスギ(アズキナシ)材を使っています。本体自体が軽量で移動も楽ですが、通しほぞに入っているタガヤサン材の楔を抜けば、分解して運ぶことも出来ます。
D350×W730×H900
ブラックチェリー材×カタスギ(アズキナシ)材製作